拠出事業
事業報告
AJU自立の家後援会 大学修学奨学金 報告書
日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科
人間福祉専修4年 柳原康来
2019年度から奨学金を支給していただきありがとうございます。支給が今年度で終了するにあたり、本年度の大学生活の一部を報告いたします。
大学生活は2020年度、2021年度からオンラインでの講義を引き継ぎながらも、対面での学業がメインとなりました。
学習の成果
今年度の修得単位は42単位(最高修得単位は48単位)でした。
大学での学びとしては、社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験に合格して、社会福祉学部を卒業することができました。4年間の総取得単位数は182単位(卒業に必要な最低単位数は124単位)でした。今年度は主に卒業論文の執筆と精神保健福祉士の国家資格の受験要件を満たすため、精神科病院への現場実習を行いました。
卒業論文執筆では、これから私が障害者運動に関わり続けるための核となる「これからの福祉教育を考える~社会福祉協議会と当事者講師の福祉教育へのアプローチ~」を題材に執筆を行いました。知多地域の社会福祉協議会にインタビュー調査を行い、伝え手として何に重きをおくべきなのか・自身の活動で改善することはなにかを論じました。そのなかで、自分の強みである他者に伝えることが自分の目指す社会の実現に不可欠であること、実現にはまだまだ知識やつながりが不足していることに気付きました。
現場実習では、精神障害者の医療現場で生活を見ることができました。社会問題でもある「社会的入院」を目の当たりにして、どのような解決策を講じれば良いのか、患者の医療を受ける権利と地域で暮らす権利をどのように守っていくのかなど多くのことを学びました。実習の途中にコロナの院内感染が起きてしまい3日のみの実習でしたが、大学での講義では知ることのできない生の声を聴くことができました。残りの実習は大学内での代替実習となりました。福祉専門職として何を大事にしていくのか、専門職と障害当事者という立場をどのように使い分けるかについて考え続けることが必要だと学びました。
今年度の学びは、卒業後の進路を決める時に「これから何を核に活動していくのか」を考え続けるためのきっかけとなりました。4年間の大学生活を送ることができたからこそ選ぶことができた道だと思っています。関わって下さったみなさんに心よりお礼申し上げます
次年度に向けて
大学での学びをさらに深めるため日本福祉大学大学院 社会福祉学研究科 社会福祉学専攻(通信教育)の修士課程に進学します。活動拠点は引き継ぎ知多郡美浜町として、地域間格差の解消を主軸に活動していきます。特に力を注ぐのは、卒業論文で執筆した内容をさらに深めて障害の理解や障害者を地域に暮らす一員として助け合える関係をいかに作っていくかを研究していきます。
さらに学業だけでなく、障害者の生活を支える福祉サービスの充実・創出のために愛知県内や全国団体と協同した障害者運動にも積極的に取り組んでいきます。